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2026/09/19 05:24
今回ご紹介するのは、奄美大島にて伝統的な泥染めを施したKUONのMA-1。
自然界には存在しないような「究極の黒」を追い求め、奄美大島の大島紬が長い年月をかけて培ってきた、深く奥行きのある黒を表現しています。
自然の素材と職人の手仕事によって生み出された色は、単純な「黒」という言葉では表現しきれない独特の存在感。
さらに、表面にはナイロン、裏面には市松柄のコットン二重織りを使用したリバーシブル仕様。
伝統的な染色技法と現代的なMA-1のデザイン、そして異なる表情を持つ素材を一着の中に組み合わせた、KUONらしい特別なアウターです。

DESIGN
ベースとなっているのは、MA-1タイプのブルゾン。
しかし、この一着の最大の特徴は、奄美大島で施された伝統的な泥染めにあります。
自然界に存在する素材を用い、現代に受け継がれる職人が手間を惜しまず染め上げることで、大島紬が極めてきた深く奥行きのある「黒」を表現。
単に黒く染めるのではなく、自然の力と職人の技術によって生まれる色だからこそ、見る角度や光の当たり方によっても異なる表情を感じさせてくれます。

また、MA-1らしいディテールとしてシガレットポケットを備え、そこには刺し子を施したテープを配置。

テープには、サシコギャルズによる「KUON」のロゴ刺繍が入っています。
サシコギャルズとは、東日本大震災からの復興支援として始まった「大槌刺し子プロジェクト」を源流とし、2024年に発足した、岩手県大槌町に暮らす40代から80代の女性約15名によるプロジェクト。
この一着には、奄美大島の泥染めだけではなく、岩手県大槌町で受け継がれる刺し子の手仕事も取り入れられています。
そして、ダブルジップ仕様に加えてリバーシブル仕様。

表面と裏面でまったく異なる素材感と表情を楽しめるため、着こなしの幅も非常に広い一着です。
自然の力によって生まれた深い色合いと、現代のスタイルに対応する機能性。
伝統と現代性を一着の中で融合させた、KUONならではのMA-1に仕上がっています。




MATERIAL
表面にはナイロン素材、裏面には市松柄のコットン二重織り生地を採用。
ナイロンならではの軽さと耐久性に加え、程よいハリ感があることで、MA-1特有の丸みを帯びた立体的なシルエットをきれいに形成します。
一方、裏面の市松柄にはコットンの二重織り生地を使用。
表裏で異なる織り組織を組み合わせることで、程よい厚みとコシを持たせながら、織りによって表現された市松柄に立体感のある表情を与えています。
コットンならではの自然な肌触りに加え、二重織り特有のふっくらとした質感も魅力。
一見するとシンプルなMA-1ですが、裏返してみるとまったく違った表情が現れ、生地そのものの存在感をしっかりと感じることができます。
そして、このアイテムのもう一つの魅力が経年変化。
泥染めによって生まれた色は、着用を重ねることで少しずつ表情を変えていきます。
さらに、染め直しをすることも可能なため、一時的に楽しむ服ではなく、長く着用しながら自分だけの一着へと育てていくことができます。
自然素材と職人の技術によって生まれたものだからこそ、時間とともに変化していく過程そのものも、このMA-1の魅力の一つです。
SILHOUETTE & SIZE
シルエットはコンパクトで上品な印象。
MA-1らしいボリューム感を残しながらも、必要以上に大きくしすぎていないため、流行に左右されにくく、長く付き合いやすいバランスに仕上がっています。
175cm / 65kgの場合
- Size M: ジャストフィット
- Size L: ややゆとりのあるサイズ感
インナーを薄手にしてすっきり着るならM、少し余裕を持たせて着るならLという選び方がおすすめです。
175㎝65㎏ sizeL着用







BUYER'S VOICE
この泥染めの取り組み自体は、ブランドとして前シーズンくらいから継続して取り組んでいたもの。
実際に今回のMA-1を見たときにまず感じたのは、**「これは後世に残せる服だな」**ということでした。
奄美大島の伝統的な泥染め。
それだけでも十分に素晴らしいのですが、そこに表面はナイロン、裏面は市松柄のコットン二重織りという組み合わせ。
正直、かなり贅沢です。
しかも、今までのKUONにはなかった新型のMA-1。
26AWのコレクションを象徴するような、まさに**「今シーズンの顔」**と言えるアウターだと思います。
個人的には、泥染めによって生まれる黒の奥行きが非常に好きです。
普通の黒いナイロンとは明らかに違う。
光の当たり方や着用による変化によって、少しずつ表情が変わっていく。
さらに裏返せば市松柄のコットン二重織り。
一着で二つの表情を持っているので、その日の気分やスタイリングによって使い分けられるのも面白いところです。
そして、近年この泥染めという技術が世界的にも注目されていることも、今回のアイテムを語るうえでは興味深いポイント。
その注目度の高さを感じさせる例の一つとして、27SSのミラノコレクションで発表されたラルフ ローレンとの協業によるコレクションも挙げられます。
日本で長く受け継がれてきた染色技術が、現代のファッションの中で改めて評価されている。
そう考えると、このMA-1が持つ価値もまた違って見えてきます。
そして何より、今シーズンをもってデザイナー石橋氏によるKUONのコレクションが終了すること。
そう考えると、この一着は単なる26AWの新作アウターというだけではなく、石橋氏が手掛けてきたKUONのものづくりを象徴する一着として、これから先も残していきたいと思える服です。
伝統的な泥染め。
刺し子。
市松柄の二重織り。
そして現代的なMA-1。
いろいろな要素が一着の中に詰め込まれていますが、着てみると決して難しくない。
むしろシンプルにMA-1として格好良く着られる。
そういうところも、KUONらしいのではないでしょうか。
「今着るための服」でありながら、「これから先にも残していける服」。
そんな言葉がしっくりくる、特別な一着です。



